| 報道を生業(なりわい)にしていると、ニュースの捉え方で世間ズレすることがあります。 「この話題は前に載せた、みんな知っているだろう」「これはニュースじゃない」……。 ただ実際は受け手がいつもみんな、そうではありません。むしろぜんぜん伝わっていないし、思ったほど知られていない事実も多いもの。 この週末版ニュースレターは、ニュースを日ごろ熱心に追っていない人を第一読者に想定しています。バタバタとした1週間、あっという間に終わってしまったけれど、「ところで、何が起きていたのか」。 日本と世界が迎えつつある構造的な転換点を、今週の5本として厳選してお届けします。 日本のコンテンツ産業の海外売上は、いまや半導体や鉄鋼を抜き、自動車産業に次ぐ稼ぎ頭へと成長しました。ONE PIECE(ワンピース)、ハローキティ、たまごっち……。私たちが慣れ親しんだ創造性は、いまや世界中の投資家が注目する巨大な資産です。 ブルームバーグは、ソフトパワーの最前線で10億ドル以上の富を築いた「ビリオネア」たちを独自の視点で選び出しました。 作り手が築いた巨額の富の背景には、日本発のコンテンツが世界を席巻する圧倒的なリアリティーがあります。週末、ポップなイラストと共にその横顔をのぞいてみてください。 日米の経済合意に基づく「1号案件」として、オハイオ州の巨大ガス発電所など3件、総額約5.5兆円の投資が発表されました。 オハイオの発電所は原子炉9基分に相当する世界最大級のプロジェクト。日本側はこれを「貿易摩擦の回避策」と位置づけていますが、巨額のドル調達が円相場に与える潜在的な影響など、同盟のコストをどう管理していくかという新たな局面への対応が求められています。 第2次高市内閣が正式に発足し、高市氏は記者会見で「責任ある積極財政」と「市場への目配り」を強調しました。食料品にかかる消費税率を2年間限定でゼロとする方針にも改めて意欲を示しています。 一方、IMF(国際通貨基金)は「消費税減税は避けるべきだ」と警鐘を鳴らしています。 圧倒的な政権基盤を得た高市氏の経済運営は、市場の信認と国際的な規律の間で、いかに新たな均衡点を見出すのでしょうか。 東芝がエレベーター事業の売却検討に入り、コングロマリットの解体がさらに進む一方、サンリオ株はIP(知的財産)の価値を武器に急騰しました。 もう1社、注目を集めたのが「クスリのアオキ」です。 物言う株主の反対を押し切り買収防衛策を可決。日本のコーポレートガバナンス改革が、理想と現実の間で、なお火花を散らしている転換点を浮き彫りにしています。 世界の原油輸送の要衝を巡り、期待と緊張が秒単位で交錯する一週間でした。 スイスで17日、米国とイランによる核協議が行われました。双方に依然として溝はあるものの、対立解消に向けた「大筋合意」に達したと評価されました。この「対話の進展」を受け、武力衝突のリスクが後退したとの安堵感から、原油価格は一時下落します。 ところが、その協議の終了を待たずして、イランはホルムズ海峡の一部を軍事演習のために「数時間閉鎖する」と発表しました。外交のテーブルで握手をしながら、もう一方の手では「石油の喉元」を締め上げる実力があることを世界に見せつけた形です。 輸入原油の大半を中東に頼る日本にとって、たとえ数時間でもこの海峡が封鎖されることは、エネルギー供給の寸断と生活コストに直結します。 生命保険大手4社が抱える国内債券の「含み損」の合計額です。 日本生命の最新発表で全容が見えたこの巨大な数字は、金利上昇という構造変化が生保の資産に落とした「影」の深さを物語っています。 背景にあるのは、高市首相の積極財政への懸念や日銀の追加利上げ観測に伴う、超長期金利の急上昇。政権が描く「金利ある世界」への転換は、生保や農林中金といった国内機関投資家のポートフォリオに、かつてない規模の揺れを招いています。 大手生保の国内債の含み損、4社合計で13兆円超に拡大 Bloomberg 寒い日が続き、体調を崩す人も少なくありません。 今週、多くのブルームバーグ読者が注目したコラム「不摂生なのに100歳を迎える人、その秘訣が明らかに」によると、寿命の5割は遺伝、5割は環境で決まるといいます。 不摂生なのに100歳を超える人の背後にある、老化を遅らせる希少な遺伝子の力。この「退屈な真実」とどう向き合い、人生を設計すべきか。時間のあるときこそ、じっくり考えたいテーマです。 どうぞ健やかな週末をお過ごしください。 |
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